伝えることと、伝わったこと/「おとなの小論文教室。」(河出文庫)山田ズーニー著を読んで。

自分が思ったより、伝えたいことが伝わっていない。

単純なことも、伝えることができない!!

ということで、人に自分の言葉を伝える勉強をしています。

その際、参考にと買ったのが、この本。

 

「おとなの小論文教室。」(河出文庫山田ズーニー

https://www.amazon.co.jp/%E3%81%8A%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%81%AE%E5%B0%8F%E8%AB%96%E6%96%87%E6%95%99%E5%AE%A4%E3%80%82-%E6%B2%B3%E5%87%BA%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%B1%B1%E7%94%B0-%E3%82%BA%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%BC/dp/4309409466

 

この本の中で、自分がこの本を手に取った理由をズバリ言い当てている一文があったので、ご紹介したい。

 

作家でなくとも、アーティストでなくとも、

日常や、仕事のシーンで、

生活者として、仕事人として、人間として、

自分の想いをきちんと言葉にして人に伝えられる人は自由だ。

「おとなの小論文教室。」(河出文庫山田ズーニー著より

 

わかるーーー!!!

本当に伝わってないのよね。

自分の伝えたいことが、ありとあらゆる場面で、仕事する上で。

 

文章をわかりやすく書く方法を期待して本書を手に取ったけれど、

伝えることの楽しさ、難しさ、向き合い方を教えてくれる本。

 

よしうめが伝わってない。。と実感したきっかけは、

美大で作った卒業制作をボロカスに言われて、ショックを受けたから。

 

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美大は4年間のまとめとして、卒業制作作品を作り、晴れて大学を卒業する。

私もテキスタイル研究室で織物を専攻していたので、何枚かの布を織った。

幸い、卒業展を見た方が卒制で織った生地を気に入って購入してくださった方がおり、天にも登る気持ちになった。(ここまでは順調)

 

就職試験のときに、美大時代に織った布を、面接に持っていった。

意気揚々と。

自分の織った布が売れたこともあって、わかる人には、わかるっしょ!ばりに自信満々で。

 

結果は大玉砕・・・。自信は見事に打ち砕かれた。

全然、わかってもらえない。。。(伝えるの、下手くそか)

プロアマの違いはあるが同業なので、わかってもらえるだろう!と鷹をくくっていたのが悪かったのが

繊維業界の企業の方々の反応は、非常に冷たく

一言でいうと皆様、「ふーん・・・で?」という反応。

その時も、相当なショックを受けたが

なんとか無事就職できたので、「伝える」ということに対して、努力をしていなかった・・・

 

が、紆余曲折あり退職することになった際、そのショックが再来する。

 

当時の上司が、送別会のスピーチでこういった。

 

「到底、量産品には及ばないレベルのものを、面接の時に持って来て、びっくりした。」

 

うめよし:え?いまさらそれ言っちゃう??

 

卒業制作は、高校球児が甲子園に出場するくらいのエネルギー(想像)をかけて作ったのだ。

一生懸命に作ったもの。

時間と労力と、知惠を振り絞ってつくったもの。

所詮、学生の手仕事ではあるが・・・

その言い方ひどーーーー!しかも、今さらいうこと??

上司の価値観と自分の価値観が、日本とアフリカ並みに違うのはわかっている。

だけど・・・その言い方、ひどーーーー!

と、カミナリに打たれた様になって、そのあとの送別の言葉を一切覚えていない。

 

冷静に、冷静に・・・と、頭を冷やして考えたのは、

自分がいかに伝えることが下手だったか、ということ。

 

自分が努力して作ったものを、まったくアピール(伝えることが)出来なかったんだ、と思った。

あんなに苦労して、作ったのに。

愛情込めて作ったのに、、。

一番魅力を伝えなきゃいけなかったうめよしが、それを伝えることが出来なかった。

 

自分が一生懸命に作った姿勢すら、伝えることが出来なかったんだ、と思って

膝から崩れ落ちそうになった。

物を作ること以上に、伝えることが

ものすごーーーく大切なんだと、実感した。

 

伝えたい。

正しく、素直に、自分の想いを人に。

本書は「想いを伝えること」の背中を押してくれる。

 

やっぱり、正解がないことを自分の頭で考えることが、自由に生きることへの第一歩なんだね。。!!!